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【貴重書展示】ピエール・フォシャール展

世界初の歯科医学書 原書を見よう!

歯科医学の父 ピエール・フォシャール展

図書館1階にて 10/5~10/19 2週間展示します。

好評につき10/31(水)まで延長します。

『歯科外科医あるいは歯科概論』

Le Chirurgien Dentiste ou Traité des Dents

初版(1728年)・第2版(1746年)・独語版(1733年)

展示目録

 

世界初の本格的な歯科医学書

18世紀にフランスで発展を遂げた歯科医学は,ピエール・フォシャールと彼が遺した著書「歯科外科医あるいは歯科概論」(以下「歯科外科医」)によるところが大きいと言われています。フォシャールは近代歯科医学の父と呼ばれ,歯科臨床医を当時は大道医者や理髪師に任されていたような「歯抜き師」という立場から,独立した職業「歯科医師」へと変貌させました。

閉鎖的で未だ非科学的であった歯科学を公に開かれた「科学」にすべく,1728年に刊行された「歯科外科医」は,初の近代的歯科医学書と言われており,その内容は,現代の歯科医学,歯科医療の内容をほぼ網羅するものとなっています。20年以上に渡る臨床例を中心に蓄積された研究,臨床技術は,「書物」として遺されることにより,時を越え地域を超えて広がっていくことになります。

この書物はフランス語で書かれていたためか,およそ200年の間は国際的に広く知られることはありま
せんでしたが,1922年にフランスで,翌年にアメリカで刊行200年を記念する式典が開催され世界的に認知されることとなりました。その模様は,アメリカの学術雑誌「The Dental Cosmos」に詳細に報告され,再評価とその位置づけは確固たるものとなりました。

 

フランスで行われた刊行200周年式典に日本人として唯一人参加していた中原實(日本歯科医専,現在の日本歯科大学)は「歯科外科医」の原書を携え帰国し,日本に彼の功績を伝えました。同時期に川上為次郎(日本大学専門部歯科,現在の本学部)も同書第2版の原書をパリ歯科医学校から寄贈を受け帰国しており,両者によるフォシャール記念講演会も開催されました。

 
その後,中原所蔵の「歯科外科医」が紛失したため,川上所蔵の第2版が唯一の原書として,半世紀余りの間,本邦に存在していましたが,1978年に川上家により本学部図書館へ寄贈されました(展示資料②)。1980年代になると貴重書が流通するようになり,国内の所蔵館も増えました(当館所蔵初版本は1983年に入手,展示資料①)。また,1946年に英訳本が,1984年に日本語訳本が刊行され,近年においてもその功績を伝える文献が発表されています。

 
今回の展示では,「歯科外科医」の初版,第2版,ドイツ語訳本の原書を展示ケースにて公開します。直接手に取ることはできませんが,原書の内容を数ページ撮影しておりPCにて映写します。また,ピエール・フォシャールの関連資料も展示していますので,この機会に歯科学の歴史について思いを馳せていただければと思います。

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・・・・・・・・・・謎1 口絵の肖像画が微妙に違う?・・・・・・・・・・・・・

初版と第2版は、作者、彫刻者が同一だが微妙に違う。原因は不明。

ドイツ語版は、原著の肖像画の裏刷りを、第3者(G.T. Buschとサインあり)が彫刻したため、原著とは逆の右向きとなっている。

・・・・・・・・・・謎2 タイトルは正しいのか?・・・・・・・・・・・

原著タイトルの直訳は「外科歯科医,あるいはの概論」である。しかし、内容は歯牙から口腔全般、前身に及ぶ臨床を包括したものであり、「の概論」はそぐわない。

(本当は著者がイメージしていたのは)

「外科歯科医、もしくは、歯・歯槽と歯肉の病気の概論」

(ではないだろうか・・・)

詳しくは・・・ 中原泉/ Fauchard書題の謎 https://ci.nii.ac.jp/naid/110007155483

・・・・・・・・・・謎3 見返しの走り書きは何?・・・・・・・・

これは謎でもなんでもなく、フランス語で

「川上博士のパリ市、歯科医学校および校長訪問の心からの想い出として D.Chlodon 1921年9月30日パリ」

と書いてある。

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詳しくは・・・ 今田見信 / わが国の歯学資料図鑑(9). 歯界展望23(3). 1964

・・・・・・・・・謎4 歯科外科医か?外科歯科医か?・・・・・・・・

“le Chirurgien Dentiste”の日本語訳は現在まで2種類存在する。歯科外科医と外科歯科医。どちらが正しいのだろうか。

「歯科外科医と訳す方がフォシャールの意に沿う」

(のではないだろうか・・・)

詳しくは・・・

高山直秀 / ”le Chirurgien Dentiste”の訳語について. 日本歯科医史学会会誌10(2).1983

https://ci.nii.ac.jp/naid/110007155419

担当:堀米

 

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投稿者: : 2018年10月5日 投稿先 展示

 

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貴重書特別展示2017 本草学・薬用植物の世界

無題

図書館閲覧室1階で、10月6日~20日まで開催しています。

今回の貴重書は

小野蘭山・小野職孝の『本草綱目啓蒙』『本草啓蒙名疏』

岩崎灌園の『本草図譜』

です。ガラスケースに入れていますが、希望する方は手に取ってご覧いただけます。

『本草図譜』は日本初の植物図鑑です。鮮やかな色彩の植物画と解説が描かれています。

構図がとても自由で、色彩豊かです。

開いて並べてみると、壮観ですねー。

『本草綱目啓蒙』と『本草啓蒙名疏』は、中国の書『本草綱目』を基に、小野蘭山が講義(口述)したものを孫の小野職孝が編纂したものです。

『啓蒙』は、動植鉱物の日本名、中国名、地方の方言を整理し、解説を書き連ねた一大百科事典です。江戸時代のもっとも内容の充実した薬物研究書であるともいわれています。

『名疏』は、啓蒙で著述された動植鉱物を簡略したもの(索引のような役割のもの)です。

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日本の本草学の歴史は、中国の本草書から影響を受けています。

それは、三大古典として知られている『傷寒雑病論』『黄帝内経』『神農本草経』に遡ることができます。

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上段に、中国三大古典の紹介と関連図書を置いています。

 

これらの古典は、いまだに漢方で使われるているそうです。伝説上の帝王・神農が活躍したのがB.C28世紀頃と言われていますので、中国三千年の~とか五千年の~などの表現が誇張ではないことがわかります。

書棚の最下段に見える、『アーユルヴェーダ』解説本は、インドの医学”ヴェーダ”を紹介したものです。

アロマセラピーやハーブ療法などでお馴染みですが、体系化された医学書としては最古のものと言われています(B.C15世紀頃に編纂)。

現代では、医師に薬品を処方してもらい、様々な症状を科学的に和らげることが可能となっていますが、ほんの2.3世紀前までは、薬草などを中心とした呪術的な、まじない的な治療や、経験、伝承に基づく治療が主でした。

年表「薬用植物にまつわる事々・古今東西」では、東洋と西洋に分けて、歴史上の出来事をまとめています。

上段に「年表~薬用植物にまつわる事々・古今東西」

上段に「年表~薬用植物にまつわる事々・古今東西」

今回の展示の準備を進めている過程で、偶然にも、本学部特任教授の越川先生が「自然界にある毒と薬- 作用メカニズム解明の歴史-」というタイトルで講演を行っていたことを知り、スライド資料を展示用にいただきました。PCで視聴できます。

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越川教授のスライド資料をPCで閲覧できます。毒と薬は紙一重ということがよくわかります。薬草の歴史を知ることができます。 奥に見えるのは、大型本「原色精密日本植物図譜」です。

関連図書を展示しています。気になる本があれば、ぜひ予約をしてください。展示終了後に貸し出しが可能です(一部の図書は借用図書のため、貸出できない場合があります)。

テーマごとに分けています。どの本も、非常におもしろいです。

日本大学薬学部には「薬用植物園」があります。歴史ある植物園で、その種類の多さ、数の多さに圧倒されます。撮影した植物をPCで流しています。薬草教室も開催しており、次回は11月5日です。

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展示目録はコチラ → 目録

 

 

 
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投稿者: : 2017年10月6日 投稿先 展示

 

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